今回は「担保付不動産」の相続について考えてみたいと思います。

一般に担保(抵当権または根抵当権)がついている不動産はこんな状態です。

ケース1
不動産の所有者・・・Aさん(同時にB銀行の債務者)
債権を有している銀行・・・B銀行


一般的には不動産の所有者Aさんが同時にB銀行の債務者であるケースがほとんどです。
しかし、かなりの確立で不動産所有者のAさんと債務者の名義が違うケースがあります。

ケース2
不動産の所有者・・・Aさん
債権を有している銀行・・・B銀行
B銀行で借入している債務者・・・C社(ただし社長はAさん個人)


とこんな感じですが、古くは個人営業からスタートした老舗企業や元々個人資産が多い方の場合はこのようなケースは多いと思います。
実際、私も銀行に勤務している時は極々普通にこのような状態の担保を扱っていました。

ケース1の場合はAさんが亡くなって相続が起こってもほとんど問題になるケースはありません。

しかしケース2の場合はちょっとやっかいな問題が起こってきます。

1.まず個人資産に自分が経営している会社(もしくは他人)の負債の為の担保を設定しても不動産の相続税評価には何ら影響しない。

相続の場合の評価はAさん個人の資産と負債を通産しますからケース2の場合では個人の持っている不動産は担保でガチガチに縛られていて実質無価値であっても評価上は負債でのマイナス分は一切ありません。
相続税を払わなくてはいけないケースの場合は最悪ですが、税金を払わなくても良い場合でもC社の後継者が相続人の一人(例えば長男が次期社長)の場合はその他の相続人(次男、三男etc)から法定相続分を請求されると長男はニッチもサッチもいかなくなります。

2.この不動産をムリヤリ法定相続で案分し共有してしまうともっと大変な事に。

このような不動産をムリヤリ相続人全員(特に家業に関係ない人)で持分共有してしまうと銀行は不動産所有者に連帯保証を求めてきますし、銀行借入の度に家業に関係ない人にハンコをもらって回らなければいけない事になってしまいます。